温泉レポート13回目は、今は貴重な昭和の風景を残す杖立温泉の元湯を紹介する。
その温泉とは?
元湯
どこにある?
熊本県阿蘇郡小国町下城4217
熊本県の北部、大分県との県境に位置する杖立温泉。
どんな温泉?
まず初めに、杖立温泉について話をしよう。
杖立温泉とは「杖立温泉」という温泉施設ではなく、熊本県阿蘇郡小国町にある温泉街の名称。
山深い地に流れる杖立川の左右に温泉や宿が立ち並ぶ。
杖立温泉
開湯伝説によると、応神天皇の産湯として使われたとされることから約1800年の歴史があることになる。その際に使われた源泉が現在の共同浴場元湯の地から湧出していたと言われる。但し、現在の元湯は湯船の地での湧出ではなく、別の源泉からの引湯である。
ウィキペディア
日本には数多くの温泉街が存在する。バブル期に相次いで大型施設が建てられ、その後廃業の道を辿った温泉街も多い。
温泉街の看板は寂しくも残りつつ、営んでいる温泉は一、二軒という寂れた温泉街も。
しかし杖立温泉は、今もその姿を保持しながら、もくもくと湯けむりを立ち昇らせている。
今回の温泉「元湯」は、先の説明にあるように、応神天皇の産湯として使われた湯があったとされる温泉。
特徴は?
杖立川に架かる「もみじ橋」の右下にあるのが「元湯」。三角屋根の小さな温泉。
川までの距離が近いことが分かるだろう。
この温泉は、宿でもなければ温泉施設でもない。建屋こそあるものの、野湯といってもいいだろう。
無人の温泉で、脱衣場もロッカーも、お手洗いもない。男湯女湯もない。
この湯があるだけ。混浴半露天風呂といったところ。
恥ずかしさは車の中か宿に置いてこよう
洗面器は置いてある。常連さんの持ち込みだろうか、温泉協会で用意されているのだろうか。
湯船からの景色。間近に川の流れる音を感じながらお湯を堪能できる。まさに極楽。
無色透明の湯で、長湯出来る肌馴染みの良い湯だった。
泉質は?
不明
温泉分析書はなかったと思うが、杖立温泉は弱アルカリ性の弱食塩泉で、メタケイ酸を多く含む湯。
塩化物泉(食塩泉)は末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症、きりきずが泉質別適応症となっている。
また、弱アルカリ性とのことなので、pH7.5以上の湯であろう。
メタケイ酸は、天然の保湿成分といわれ肌の新陳代謝を促進するので、総じて「元湯」は美肌の湯という事になる。
杖立温泉の源泉は、98〜100℃あるそうだ。
思い出は?
杖立温泉には、その高温の蒸気を利用した「蒸し場」がところどころに設置してある。
温泉に入っている間に熊本県産のサツマイモを蒸していたら、最高の蒸かし芋が出来ていた。
僕も蒸し場で蒸されたいなあ
その他の情報
・杖立温泉は、真相は定かではないが「千と千尋の神隠し」の舞台説の1つとなっているそう。
・半露天風呂と書いたが、目の前の道路は普通に人が通るので人目が気になる方は注意が必要。
ひとこと
杖立温泉の元湯で開放感に浸り、極楽へトリップしよう(現世に戻ってくるのを忘れずに)
施設情報
〒869-2503 熊本県阿蘇郡小国町下城4217
- 入浴料 なし
- 営業時間 24時間
- 定休日 なし
- 美品 なし(洗面器のみ有り)
- ロッカー なし
- 駐車場 共同駐車場利用(無料)
コメント